現在フィリピンの学校は1週間お休みです!日本と全く違うフィリピンの学校のシステムをご紹介します!!
4月5月が夏休み!?
日本では新学期は4月、欧米では9月、フィリピンは6月です。
フィリピンの公立学校には、フィリピンは4月~5月の夏休みと、10月のショートブレイク(現在この休暇にあたります)があります。さらに1年を4つに分けた「クオーターシステム」があり、試験も4回、成績発表も4回行われます。夏休みに関しては、1年中暑いフィリピンですが、特に夏休み期間は気温が最も高く、扇風機しかない教室での授業は不可能です。そのためもあり、2か月以上の長期の休みとなっています。授業日数としては約200日と日本とほぼ変わりません。
旧フィリピン教育システムの問題点
フィリピンではこれまで、基礎教育は10年(初等教育6年,中等教育4年)でした。しかし、この制度にはいくつかの問題点があり、現在の新システム導入に至りました。
◆問題点1・・・基礎学力の低下
諸外国が12年で習得するカリキュラムを10年で終わらせてしまうため、必然的に基礎学力が低下してしまいます。
◆問題点2・・・就職率の低下
フィリピンの成人年齢は18歳ですが、高卒時は16歳です。精神的にもまだ未成熟で、就職先も限られてしまいます。その結果、失業者の半分が15-24歳の若年層という結果になってしまいました。
◆問題点3・・・海外への進学ができない
12年間の基礎教育を条件とする海外の大学も多く、そのため直接海外に進学できません。2年間、国内の大学に在学するなどして時間を費やす必要があり、優秀な人材が育ちにくいシステムでした。
フィリピンの新教育システムによる弊害
上記の問題点を改善すべく、満を持して2012年からK-12という新たな教育制度をスタートしました。大きく変わったのは、高校4年間の後に2年間の「シニアハイスクール」が追加されたことです。
基礎教育13年の概要は下記のとおりです。
- 幼稚園-1年
- 小学校-6年
- ジュニアハイスクール-4年
- シニアハイスクール-2年
シニアハイスクールというのは、ジュニアハイスクールまで習っていた一般科目(英語や数学など)に加え、ビジネスや技術などの専門的な科目も教えることになっています。そのため、その科目に特化した先生が必要なのですが、国の予算が足りず、専門科目を教えることができません。
教員数の不足だけではなく、教室数もまったく足りていません。どの学校も大急ぎで新校舎を増築していますが、ここはフィリピンです。建物が予定された期間内に完成することは、滅多にありません。
現在、教室数の不足を補うため、各学校様々な方法をとっています。
HERO’S HOUSE2の子供たちが通うルズ小学校では、クラスを午前の部、午後の部に分けて授業を行っています。午前の部のクラスは14:30に授業をすべて終え、その後、午後の部のクラスが授業を始まります。午前の部の始業時間はなんと、朝の5:40です!!!
いくら、14:30に授業が終わるとはいえ、さすがに朝が早すぎます。正午ごろにはぐったりとした生徒たちが目につきます。しかし、このようにしなければK-12の制度についていけないのです。大変なのは子供たちだけではありません。先生も教員数が大幅に不足しているため、1人1人の負担が大きくなっています。
フィリピンの明るい未来のために
フィリピンの教育を良くしようと始まったK-12ですが、現場の準備がおいていておらず、現時点ではプラスよりもマイナスが多い印象です。
一刻も早く,教員の増員や校舎の増築が終わり、先生と子供たち、どちらも快適に授業ができるようになることを願います。