当団体の新奨学生選考には、考えつくされた多くの工夫と、独自の理念が込められています。その方法とは…
見出し
新奨学生選考の7つのステップ
① 小学校校長先生との打ち合わせ
本当に支援を必要としている子供をしっかりと見分けるためのタイミングを相談します。
② 各担任の先生から、支援の必要な子供に申込書を渡してもらう
申込書にはシリアルナンバーを付けていて、本当に支援を必要としている子供にしか申込書が渡らないようにしています。
③ 書類選考
書類で世帯構成、収入などの多くの項目をチェックして、規定に当てはまるかを確認します。
④ 一次面接 ※今回の面接です
英語・ビサヤ語で様々な質問を行います。家庭の事情等で面接に参加できない子供たちを配慮し、数日間にわたって行います。
⑤ 二次面接
DAREDEMO HEROの理念をしっかりと説明したうえで、本人のやる気と能力をチェックします。
⑥ 家庭訪問
抜き打ちで家庭訪問を行い、実際の生活状態をチェックし、奨学金が正しく使われるかの確認をします。(お酒や煙草に使われる心配がないか等)
⑦ 最終面接
契約書に基づき、改めて団体の決まりを説明し、親のサインをもらい、支援を開始します。
⑧ その他の秘密のポイント!
言葉では上手く言い表すことが難しい審査基準がたくさんあります。待っているときの姿、当団体に到着する時間・・・などなどたくさんあります。
当他団体のこだわり!
通常の奨学金制度は、小学校卒業まで、もしくは高校卒業までが普通です。しかし、当団体では「子供たちが夢を叶え、それぞれのステージでリーダーとなり、この国の貧困問題を解決する一員となる」まで支援を続けます。つまり、その子の一生に関わっていくということです。そのため、簡単に支援を開始することはできません。子供たち本人、そして家族にとっても、DAREDEMO HEROのメンバーとなるための覚悟をしてもらう必要があります。
2016年10月10日HH2新奨学生一次面接スタート!!
そんな選考のスタートとなる一次面接の会場には、部屋に収まらないくらいたくさんの候補者が集まりました。私たちは、一人一人に「将来の夢」「得意教科」「家庭状況」「収入」などたくさんの項目を細かく質問し、面接を行いました。子供たちは慣れない環境、更に日本人を目の前に、とても緊張していました。そんな中でも、自分の夢をしっかりと話し「勉強をしたい!」という気持ちを強く感じる子供たちもいました。
それぞれが過酷な環境の中で、頑張っていることが分かるからこそ、この中から「この国のリーダー」となる人材を選ばなければならないということは、非常に難しい作業です。
子供たちの将来の夢
今回の面接で、ほとんどの子供たちの将来の夢は「先生」や「医者」「看護師」でした。フィリピンの貧困層の子供たちに将来の夢を聞くと、決まってこの3つの答えが返ってきます。もちろんこの3つの職業が、子供たちにとって憧れの職業であり、尊敬できる存在であることは事実です。それと同時に、子供たちがいかに狭い世界で生きているかを知るきっかけにもなります。
現在私たちの支援する36名の子供たちも、面接の際には同じように、この3つの職業をあげていました。しかし今は、日本からのご訪問者様から、たくさんの「職業」について教えていただくことにより「本当に自分がやりたい職業」を見つけている子供たちがたくさんいます。
どんな夢でも、子供たちがそれらの夢を実現するためには、勉強をして大学へ行き、資格を取らなければなりません。ということは、小学校へ行く学費もままならないこの子供たちは、夢をあきらめなければならないということです。なぜなら、大学に行くための学力をつけ、学費を支払うことは不可能だからです。
貧富の差は経済的な差だけではなく、このように夢を叶える「可能性」にも大きな差を生んでいるのです。
ボランティア団体が無くなる日まで
今回もたくさんの応募がありましたが、代表のHIROさんがおっしゃっている通り、ボランティア団体は最終的には「なくなる」べきものです。将来的には「貧困がなくなる」=「ボランティア団体は必要なくなる」とならなければなりません。
いつかDAREDEMO KIDSがこの国の貧困問題を解決し、全ての子供たちが、自分の夢を叶える「可能性」を十分に持てる時代が来るよう、我々スタッフも全力で頑張ります。