日本では地域によってゴミは20種類以上に分別されます。では、フィリピンではどうなのでしょうか。
分別されているようにみえるけれど・・・
フィリピンのお店や大きな家の前には、ゴミ箱が設置されています。ほとんどのものが「Malate(自然に分解できるもの)」「Di-Malata(自然に分解できないもの)」の2種類です。「リサイクル」のボックスも設置されていることはありますが、あまり多くはありません。セブでは、2011年4月1日に環境問題に厳しかった当時の市長が、ゴミは分別して捨てるようにという政令を発行したため、ゴミの分別を行わなければなりません。このように聞くと、フィリピンでもしっかりとゴミの分別が行われているように思います。
しかし、現実には全くと言っていいほどこのボックスたちに差はありません。なぜなら、ゴミを回収する人たちはすべてのゴミを一緒にして、持っていってしまうからです。ちなみに、法律上では毎日市の指定業者がゴミの回収を行うことになっていますが、現実には毎日収集が行われているわけではありません。ゴミについては法律と現実がかけ離れた状況にあります。
ポイ捨ても多い
フィリピンの通りを歩くと、いたるところにゴミが散乱しています。子どもも大人もみんなポイ捨てをしているからです。例えばコンビニでお菓子を買って、食べながら歩いている人は、食べ終わればコンビニの袋ごとその場にポイ捨てしてしまうようです。まだまだゴミはゴミ箱に捨てましょうということが十分に浸透していません。そもそも大型モールなどにしかゴミ箱が設置されておらず、コンビニなどにはゴミ箱がないため、日本に比べればゴミ箱の数が少ないです。
ゴミは山積みにされていく
フィリピンでは、ダイオキシンが発生するという理由で、ゴミの焼却処分が認められていません。ごみ焼却炉を作るためには、日本よりも遥かに厳しい基準をクリアした大規模な施設を作る必要があります。そのため、セブでは現在イワナヤンという地区に大きなゴミの集積場を作り、そこにセブ中のゴミを集めています。もうすでにこの集積場の許容量は超えていますが、空き地を見つけてはなんとかゴミを積んでいるという現状です。
環境教育が必要
まだまだゴミを減らそうなどの環境教育はフィリピンでは日本ほど発達していません。実際に、スーパーではどんな小さなものを買ってもビニール袋がついてきます。また水筒やお弁当箱のようなものも売られてはいますが、ほとんどの人は利用せず、ペットボトルやビニール袋を使っているのが現状です。まだまだ過剰包装などの考えはないようです。
当団体ではその第一歩として「ゴミはゴミ箱に捨てる」というルールを子どもたちや親に徹底しています。HERO’S HOUSEでは小さなゴミでも落ちていたら大問題です。まずは日頃の環境を変えることが、子どもたちの意識を変えていくためには重要だと考えています。DAREDEMO KISDのような意識を持ったフィリピン人が増えればフィリピンのごみ問題は一歩前進するのではないかと考えています。