DAREDEMO HEROでは、子どもたちの夢の実現のために、大学卒業まで様々な支援を行っています。
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夢の実現のために必要なこと
DAREDEMO HEROの奨学生は、それぞれ強い志と壮大な夢を持っています。
「医者になって、病院に行くことのできない貧困層の人々を無料で診療したい」
「警察になって、この国の薬物問題を解決して平和な国にしたい」
「学校の先生になって、子どもたちにたくさんのことを教えてあげたい」
それらの夢をかなえるためには、大学に行くことは最低限の条件となります。日本の大学進学率は、もうすぐ60%に達しようとしています。一方フィリピンでは、まだ30%台と低迷しています。さらに、貧困層からの大学進学率となれば、10%にも満たないのが現状です。
さらには、大学を卒業しても希望の職業に就くことができない人々がたくさんいます。以前はファーストフードやスーパーのレジで働く大学卒業者も多かったのですが、現在は英会話学校やオンライン英会話の教師をしたり、コールセンターで働く人が多いです。
このような状況の中で、私たちの支援する、貧困層の子どもたちがそれぞれの夢を実現するためには、越えなければならないたくさんのハードルがあります。
お金だけではない貧困
貧困というと、まずはお金がないということですが、お金だけでなく様々な弊害が生じることがあります。
- 経験・・・貧困層は貧困がゆえに、経験できることに大きな制限があります。
- 常識・・・貧困地区で育つと、そこでの常識が自分の常識になります。
- 健康・・・貧困がゆえに衛生面・栄養バランスに問題があり、病気になっても病院にも行けません。
- 思考・・・貧困層には、そこから抜け出すことをあきらめる思考を持つ人が多いです。
- 情報・・・貧困層の親は、大事な情報を見逃してしまうことがあります。
- 人間関係・・・貧困層の周辺には貧困層しかいません。そのためかかわる人々も貧困です。
- 教育・・・教育に理解のない親の場合、教育を受ける機会が子どもに与えられません。
貧困層の子どもたちは、このように様々な不利な条件の中で生きています。
そのために「貧困支援」としてお金を提供し、「教育支援」として勉強を教えるだけでは、子どもたちは本当の意味で夢をかなえることができないのです。
DAREDEMO HEROにできること
DAREDEMO HEROでは、単に子どもたちに食事を与え、モノを与え、勉強を教えているわけではありません。それらはすべて手段であり、目的ではありません。
私たち活動の目的は、貧困問題の根本解決です。
そのために、貧困層からこの国を変えるリーダーを育成しています。
貧困層にはできない経験
DAREDEMO HEROでは、子どもたちに様々な経験を提供しています。日本人ボランティアさんとの交流から学ぶこともたくさんあります。さらにクラシックコンサートを聴いたり、絵画教室を開催したりと、貧困層の子どもたちにとってはすべてが初めての経験です。
そして、子どもたちにとって一番学びが多い経験は、日本に行くことです。文化も風習も違う日本で実際に様々なことを経験することで、初めて自分たちの住むフィリピンを客観的に見ることができます。
フィリピンの常識?世界の常識?
「常識」という言葉は、簡単に定義づけることはできません。しかし、フィリピンの貧困層の中では当たり前のことでも、富裕層や世界に出れば非常識ととられることがたくさんあります。
最もわかりやすい例が、げっぷです。フィリピン人の特に貧困層は、どんな状況でも平気でげっぷをします。しかし、同じフィリピン人でも富裕層の人々は人前で堂々とげっぷをすることはありません。
同じように、貧困層は痰を道に吐くことがよくあります。このような行動は同じフィリピン国内においても嫌悪感を抱けれることがあります。しかし、貧困地区で暮らす子どもたちにとってはそれらが、人に嫌悪感を与えることすら知りません。
その為、DAREDEMO HEROでは子どもたちにナショナルスタンダードの常識やマナーを教えています。
病気になれば病院に行けるのは当たり前ではない
貧困層では、保険制度に加入していない人々が多く、病気になっても病院に行けないことがほとんどです。そのため、子どもたちの中には「我慢することに慣れてしまっている」子どもたちもいます。
痛みは、身体を守るための大切な機能です。しかし、親に心配をかけたくないあまりにそのサインを大人に伝えず、症状を悪化させてしまうのです。これは非常に危険です。実際にDAREDEMO KIDSの中にも虫歯が悪化し、骨まで腐っていた子もいました。このような症状から脳にばい菌が入り、死亡するケースもあります。
子どもたちが痛みを感じたらすぐに訴えられるように、そして何よりそうなる前の予防策として、栄養バランスのとれた食事と、健康管理に力を入れています。
まずは自分を信じる力を持つこと
「思考が現実を作る」といわれるほど、思考は非常に重要なものです。しかし残念ながら、貧困層の中には「どうせ自分は貧困から抜け出すことができないんだ」という諦めの思考にとらわれている人が多いの現実です。
そうなってしまうのには、もちろん理由があります。それらの理由を取り払い、子どもたちが「頑張れば夢をかなえて、たくさんの人を救うことができる!」と確信させることが大事です。
そして、子どもたちが「夢をかなえる力がある」と自信を持てるように支援をしています。
情報難民にならないために!
貧困層の親は情報を収集する力が弱いことが多く、学校や行政からの大事な情報を逃してしまうことがよくあります。特にシニアハイスクールや大学の進学に関する情報の中には、貧困層にとって非常に役立つ情報もありますが、それらを収集することができません。
その為、DAREDEMO HEROでは毎月の保護者会に加え、大切な情報がある際には保護者向けのセミナーも行っています。先日開かれたシニアハイスクール向けのセミナーでは、ほとんどの親が知らなかった情報がたくさんあり、非常に勉強になったようです。
▶詳細はこちらをご覧ください「夢に向かって第一歩!?シニアハイスクールに向けて」
誰と出会うかで人生が変わる!
人生において、どんな人に出会い、どんな人と時間を過ごすかは非常に重要です。しかし、貧困層の子どもたちは、必然的に出会える人が限られています。
子どもたちの夢を聞いて、よく日本人の方に聞かれることがあります。
「なんで子どもたちの夢は、医者と先生ばかりなんですか?」
それは、子どもたちの周りに尊敬できる職業についている大人は、医者と先生しかいないということです。もちろん子どもたちはそれぞれの親を尊敬しています。しかし、親の職業を尊敬しているわけではありません。
子どもたちが職業を選ぶ際、大事なことが2つあります。
①人を助けたり、人に何かを教えることができること。
②親や家族を養えるだけの収入を得ることができること。
このふたつを満たしている大人は、貧困層の子どもたちの周辺には「医者と先生」しかいないのです。しかし、DAREDEMO HEROで様々な職業を持つ大人と出会い、話を聞くことによって、子どもたちの夢の選択肢はどんどん広まっています。
さらに日本人と多く接することで、細やかな気遣いや、マナーについてもを学んでいます。
お金がなければいい教育を受けることができない現実
非常に残念なことに、現在のフィリピンの教育制度では、貧富の差がそのまま教育の質に直結しています。お金があれば質の高い教育を受けることができますが、お金がなければ最低限の教育しか受けることができません。
今話題のドゥテルテ大統領によって、2017年から国立・州立の大学が学費が無料になりました。しかし、貧困層にはそれらの大学に合格するための学力をつける基礎教育が提供させていません。実際に国立・州立大学に通う生徒のたった12%程度が貧困層出身で、それ以外は小さなころから質の高い教育を受けている中間層以上の子どもたちです。
国立・州立大学の学費無償化 ≠ 貧困支援
国立・州立大学に合格できるだけの基礎教育を行うことが必要なのです。
子どもたちの基礎固めが何より肝心!!
DAREDEMO HEROでは小学3年生から徹底的に上記の支援・指導・教育を行っています。それらの課程の中で一番大事な時期が、シニアハイスクールの2年間です。このシニアハイスクールというのは、簡単に言えば大学入学への準備期間です。
▶詳細はこちらをご覧ください「シニアハイスクールって何?」
この2年間をどの学校で、どのように過ごすかで、その後の進路は大きく変わります。そのため、DAREDEMO HEROでは積極的に子どもたちを、質の高い私立のシニアハイスクールに入学させています。私立のシニアハイスクールでは質の高い授業は勿論のこと、上記で述べたように貧困地区ではできない様々な経験、人との出会い、新たな考え方との出会いにあふれています。
実際に私立のシニアハイスクールに通う4人は、この半年で明らかに変化を遂げました。勉強に対する姿勢、日々の生活におけるマナー、そして何より英語力です。私立のシニアハイスクールでは、授業はもちろんのこと、友達同士の会話も英語で行われます。今までひとつの教科であった英語が、生活の一部になるのです。
私立のシニアハイスクールっていくらかかるの?
現在4人の通っている、サンカルロス付属シニアハイスクールは、私立校の中でも授業料が高いことでも有名です。もちろんその分、講師の質は高く、施設も十分に整っています。しかし、貧困層にとっては到底払える金額ではありません。
第2セメスター後期支払い分
貧困層の世帯収入は、8,000ペソ(約17,000円)から多くても15,000ペソ(約31,000円)程度です。もちろんそれ以下で生活する人々もたくさんいます。その中で、サンカルロスの1年間の学費は約60,000ペソ(約130,000円)
さらに、教科書もすべて購入する必要があり、制服やプロジェクト代金、交通費、お昼ご飯代など膨大な費用が掛かります。
DAREDEMO HEROでは、それらのすべてを子どもたちが小さい時からご支援いただいている里親様からご寄付いただいた積立金から負担しています。
これらのご支援がなければ、子どもたちは地元の公立のシニアハイスクールにしか通うことができません。そこから国立・州立の大学を目指すことは不可能に近いです。
その時々一番いい形での支援を!
フィリピンの教育制度は年々目まぐるしく変化していきます。そのため、子どもたちにとって一番いい支援の形も、日々変化していきます。そのため私たちが日々行うべきことは以下の3つです。
①常に最新の情報を収集し、子どもたちにとって一番いい支援方法を見出す。
②いつも子どもたちと保護者に寄り添い、信頼関係を構築する。
③必要な支援をできるだけの資金を確保する。
食事や物を与える支援には、責任は伴いません。しかし、DAREDEMO HEROの支援は、子どもたちに希望を与え、自分たちに未来の可能性を確信させることです。そこには重大な責任が伴います。
これからも、子どもたちひとりひとりと真剣に向き合い、それぞれに秘めた可能性を十分に引き出せる支援を続けていきます。
コロナ禍での支援
フィリピンでは、2020年3月より一度も対面授業が再開されておらず、オンライン授業もしくはプリントでの学習が続いています。しかし、全体の14%しかインターネットアクセスがなく、地方においては10%未満の子どもたちしかオンライン授業を受けることができていません。
DAREDEMO HEROでは奨学生全員に対して、パソコンもしくはタブレットの貸出及び、自宅へのWi-Fi設置を行い、コロナ禍でもしっかり勉強ができる環境を提供しています。
▶コロナ禍でのフィリピンの教育事情について詳細はこちらをご覧ください。
台風22号に対する支援
2021年12月にセブ島を直撃した巨大台風22号により、奨学生のほとんどの家が、大きな被害を受けました。さらに、長期的な停電と断水、さらに物価の高騰により、日常生活に大きな影響が出ました。DAREDEMO HEROでは発災直後から、奨学生の安否確認、家庭訪問、緊急支援金の支給、飲料水や食料の支給を行いました。
▶台風支援について詳細はこちらをご覧ください。
子どもたちの夢を一緒に応援してくださるご支援者様を随時募集しております。
▶詳細はこちらをご覧ください「里親制度について」
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